マンションリフォーム
マンションリフォームの基礎知識
マンションリフォームを行なおうとする場合、マンション特有の制限がありますので、リフォームを検討する前に管理組合などに問い合わせて調べましょう。
【専有部分】と【共用部分】
マンションは「専有部分」と「共用部分」の2つに分類されています。
- 専有部分
- コンクリートの壁や床の内側の空間。
- 共用部分
- 玄関や窓、バルコニー。
専有部分は「自分たちのものだから自由にリフォームできる」と思われがちです。必ずしもそうとは限りません。例えばエアコンを増設する場合、室内外機用の配管を通す穴が無く、コンクリート壁に穴を開けなくてはならない時、そのコンクリート壁は共用部分、基本的に無理だと思います。室外機を固定するバルコニーも共用部分ですので管理規約等のルールに従って設置しなければなりません。また、床材をカーペットから、フローリング張りに変更する場合、音の問題等に影響を及ぼすことがありますので、管理組合への届け出・承認が必要となります。
勝手に手を加えることは出来ません。 以上のような制約があり、リフォーム工事に際しては管理規約にのっとった手続きが必要です。お手持ちの管理規約を良く読んで、所定の手続きを行いトラブルのないよう、専有部分リフォームに気をつけましょう。
マンションリフォームの注意
リフォーム時に考慮するマンション特有の性質。
- 集合の仕方:住宅相互が壁や床を介して隣接。騒音等トラブル考慮。
- 所有の仕方:専有部分以外は土地も含めて共有:区分所有。
- 建物の構造:床・壁・柱・梁等の構造主要部分はリフォームが困難。
- 共用部分:バルコニー、廊下、階段、エレベーター、集会所等。
- 管理の仕方:専用部分は個人で、また共用部分は管理組合で管理。
- 住戸へのアクセス、共用部分を使用。使用届・養生・清掃が必要。
- 居住密度:高密度なため、戸建住宅以上に周辺への配慮が必要。
共用部分の関係におけるマンションリフォーム工事の注意
- 共用部分での作業場所や資材置場の確保への配慮(通行・片付等)
- 資材の運搬のためのエレベーター・階段占有への配慮(養生等)
- 廃棄物の処理:ごみ置き場に置かない。その他のリフォーム工事の留意点。
- 一時的な生活空間確保と近隣住戸への影響(騒音・振動・臭気等)
- 特に下階に音が伝わりやすくなるので、床のフローリング化に注意。
- 管理組合との事前折衝の必要性(管理規約、協定などのルール)
- 現状の調査・診断(下地・躯体の状態、設備配管、竣工図確認)
- 大規模修繕工事計画との競合は避ける(共用部分の使用に制約等)
- リフォームに際してのマンション特性の把握の必要性。
- 建築年代による差異:建て方、資材や工法、経年変化による影響。
- 供給者による差異:民間企業、公的機関(都市基盤整備公団等)
- 規模:低層、中層(古いとエレベータなしも多い)、高層、超高層。
- 居住者実態:賃貸化(都心部のマンションは2~3割)、社宅化(区分所有者が法人)、複数所有(1人区分所有者が2戸以上所有)
マンションリフォームの建築基準法
- 構造躯体:3階以上の共同住宅は耐火建築物(主要構造部が耐火構造、延焼のおそれにある部分の外壁開口部の防火設備設置)とする。
- 耐火構造:RC造、レンガ造、鉄骨造は防火被覆が必要。
- 防火設備:特定防火設備(鋼板製扉)、防火設備(網入ガラス)
- 延焼のおそれのある部分:隣地・道路境界からの外壁距離で規定。
- 防火区画:住戸とそれ以外を異種用途区画し、住戸ごとに防火区画。
- 居室:採光、換気、シックハウス、界壁、天井高、便所などの規制。
- 採光は居室の床面積の1/7以上、換気は1/20以上の開口部設置。
- シックハウス対策の材料と換気:面積制限と材料の等級、換気設備。
- 界壁は遮音上・防火上有効な構造(小屋裏もしくは天井裏まで)
- 居室の天井高は2.1m(天井によって気積を床面積で割る)以上。
- 内装制限:壁・天井への不燃材料、準不燃材料、難燃材料の使用。
- 住戸面積が200㎡以上、高さ31mを越える部分の住戸。火気使用室。
- 建築設備:電気設備、給排水およびガス配管・設備、換気設備。
- 防火区画を貫通する場合は不燃材料、火気使用室に換気設備設置等。